名前:kuromaru9
自己紹介:ゲーム業界出身で、今はVRChatを中心にアバター製作などをしているクリエイターです。
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Kuromaru9氏の個人としての最初の制作は、現在VTuberとして活躍する「ロボ子さん」。ロボ子さんの開発は、”大きな転換点”だったといいます。 「開発のきっかけは、会社を辞めたことでした。以前の会社ではキャラクターを動かす仕事をしていましたが、退職後に時間ができ、自主制作でも何かを動かしてみたいと思うようになりました。」【ロボ子さん写真】


当時は3Dモデルがあまり一般的ではなかった時代。どうやって可愛いキャラクターをつくればよいかと、悩んだそうです。 「辞めた会社には腕のいいモデラーの先輩がいて、仕事を通じて『かわいいモデルはこうやって作るのか』と学ぶ機会が多くありました。その姿を見ているうちに、自分でも真似して作ってみたいと思い、制作を始めました。」 動かしたいという気持ちから制作されたロボ子さん。それは、デザインに強く現れているようです。 「動かしやすく、激しいアクションができるようにするため、戦闘向きのデザインを意識しました。」 アニメーションをつくるにあたって、揺れ物が多いと、動かすことが難しくなってしまいます。そのため、髪を短くして、体に密着する衣装となったのだとか。【ロボ子さんの衣装にフォーカスした写真】
その後、しばらくロボ子さんの制作過程を投稿していたkuromaru9氏。 「コツコツとアニメーションを投稿していたところ、ある日YAGOOさん…谷郷さんからDMをいただきました。『よかったらキャラクターを動かしてみませんか?』と声をかけてくださったんです。ちょうどその頃、キズナアイさんがバーチャルYouTuberを名乗り始め、その言葉が一気に広まりました。そして、ロボ子さんもバーチャルYouTuberとしてデビューすることになり、オーディションが行われました。」 こうしてデビューしたロボ子さんは、今では登録者数100万人を超える存在に。 「当時は、感情的な愛着をこめて作っていました。『かわいいな』と思いながらアニメーションを作っていて、作品を通して多くの人にフォローしてもらい、リアクションをもらえるのが楽しかったですね。もちろん、今でも応援しています。」
ロボ子さんの開発が終わり、次に制作したのはバナナのばななちゃん。現在、VRChat向けのアバターとして販売されていますが、当初はVRChat向けのアバターとして制作したわけではなかったとか。【バナちゃん写真】
「昔、学生時代に作ったモデルをリメイクしました。ロボ子さんを開発した際の知見を活かして制作しています。」
完成後はしばらく、ロボ子さんの活動が本格化するにあたって様々な服などのリソースを制作していたそうです。一通りの制作が落ち着いてから、バナナのばななちゃんのオーバーオールの衣装を新しくつくり、今の姿になったとか。【オーバーオール衣装画像】


「ロボ子さんはVTuberになりましたが、ばななちゃんは作ったものの、どう活かすか悩んでいました。そんな時にVRChatを知りました。プレイヤーが自身でアバターを作ったり使ったりして遊んでいると聞いて、『これだ!』と思ったんです。」
もともとVRに興味があり、Oculus Liftを持っていたkuromaru9氏。
「同じ会社の友人に案内してもらいながらVRChatを遊び、いろいろと試しているうちにVisitorを卒業し、初めてアバターをアップロードしました。その時は感動しましたね。ユーザーが作ったアバターを自由に使えるなんて。」
ユーザー同士のアバター販売の文化がある、というところも魅力だったそうです。その頃のVRChatは、ちょうどAvatar3.0が出た頃です。今でもバナちゃんで遊ぶことができるのは、嬉しいですね。
「準備はいろいろと大変でしたけどね。いざ販売するとなると、マニュアルを用意したりと手間がかかりました。でも、セットアップには困りませんでした。Unityでのセットアップは、まさに『馴染む、馴染むぞ!』という感覚でしたね。」
『動かしたい』という思いからVRChatの世界へ飛び込んだkuromaru9氏。今では、普段の生活では出会えない人と交流できることや、年齢の壁を感じずに楽しめるところも魅力なのだそう。
学生の頃、友人と擬人化キャラクターを作って遊んでいた中で、バナナを擬人化したのがバナナのばななちゃん。髪の毛がバナナのようなデザインだが、こだわりもその髪にあるという。【バナちゃんフェイスアップ写真】
「こだわりとしては髪の毛の揺れ方ですね。フワフワ揺れるようにしています。」
ロボ子さんを開発していた頃から使用していたMarvelous Designerで、試行錯誤を重ねて制作されたばななちゃん。また、シェーダーをつくる事も好きで、好きなシェーダーを動かせるVRChatだからこそ、独自表現にこだわってつくることができたのだといいます。当時は、現在覇権ともいえるlilToonはまだ公開されていませんでした。bananaShaderという独自のシェーダーを作成しており、異方性反射などの独自実装や、マスクテクスチャをモノクロではなくRGBAにまとめてテクスチャ枚数を減らすなど、工夫が詰め込まれています。【シェーダー・ツール画面画像】


今回1Dozen Collectionでは、びしょぬれのしずくさんを紹介しました。【しずくさんのランウェイの写真】
「(ランウェイを見て)バーチャル空間でありながら、しっかりと存在感があるように感じました。バーチャルなのに、重みが伝わってくるみたいな…。会場も、印象が強すぎることなくモダンなデザインと相まって、作品がうまく魅せられるように工夫されていて、とても良かったです。」
高級さを保ちつつ、作品に影響しないシンプルなデザインにするという設計思想が伝わり、嬉しいですね。製作者も頷くびしょぬれのしずくさんのランウェイは、YouTubeから見ることができます。是非、ランウェイをご覧ください。
独特な雰囲気のあるびしょぬれのしずくさん。開発のきっかけは、実はとあるゲームでした。
「開発するきっかけになったのは、某ソーシャルゲームのデザインに感化されたことでした。透き通るようなデザインがモチーフの。それに加えて、現代から近未来にかけての世界観が自分自身の好きなテーマだったことも影響しています。」
びしょぬれという、珍しいデザインのしずくさん。そのコンセプトには、kuromaru9さんならではのこだわりがありました。